本日は久々にラノベ講座第七回をお送りします。
前回から相当時間が空いた上、毎度毎度大したことは書いていないのですが、途中で終わらせるのも無責任な気がしますので、とりあえず最後までやる予定です。
まぁ、無料で読める超お気軽入門講座くらいの感覚でお付き合い下さい。
そんなわけで、本日のテーマはこちら。
第七回 ストーリー作成@ ストーリーは計算して作りましょう
こう書くとなんだか打算的なイメージを抱く方もいるかもしれませんが、別にそういう意図ではありません(汗)
私の経験上、ストーリーを作る際、なんとなく思いついた場面を繋げて結末まで辿り着いてしまう……という方は結構多いです。中にはそれで上手くいく方もいるでしょうが、ほとんどの場合、そうしたやり方では流れのないストーリーになってしまいます。長編の場合には特にそうですね。
では、どのようにして流れのあるストーリーを作っていくのでしょうか。
やり方は色々あると思いますが、私は結末から逆算してストーリーを作る方法をお勧めします。ようするに、まず最初にストーリーのクライマックス(あるいは結末)を考え、そのクライマックス(あるいは結末)を効果的に演出するためにどのような場面が必要かということを逆算して考えていくわけです。
例えば、主人公がヒロインと(恋愛的な意味で)結ばれるという場面をクライマックスに設定します。このクライマックスを効果的に演出するためにはどのような場面が前提として必要でしょうか。
まず、主人公とヒロインが出会わなければ話にならないので、出会いのシーンが必要です。もし二人が当初から知り合いという設定であれば、二人の関係性(幼馴染か、単なるクラスメイトか、はたまた敵同士か)を読者に示すための場面が必要ですね。
また、何の障害もなく順調に関係が進展して結ばれる……というのはあまり面白みがありません。二人の仲を裂くような場面もあるといいですね(この場合、障害を乗り越えて二人が結ばれるという場面がクライマックスになります)。となると、二人の仲を裂く原因を考える必要がありますから、その原因が生まれるきっかけとなる場面も当然、必要になります。
さらに、仲を裂くためには仲が深まっていないといけません。出会ってから二人が仲を深めていく場面も考えませんと。初めからある程度深い仲なら、二人の絆を改めて確認するような場面があってもよいかもしれません。
とまぁ、非常に単純な例ではありますが、逆算していくと色々必要な場面が浮かんできますね。後はそれぞれの場面の中身、そして順番を考えるだけです。ここは作者の腕の見せ所になります。
また、こう考えていくと、多くの読者の皆様が普段はなんとなく読んでいるであろう日常シーンにもきちんと意味があるということがおわかり頂けるかと思います。読者にキャラクターをしっかりと把握して貰うためであったり、後の展開のための伏線をさりげなく入れるためであったり……もちろん、純粋に読者に楽しんで貰うためだけのシーンもないわけではないのですが、多くの場合は何らかの意味があります。
そういう意味で、ストーリーが思いつかないからとりあえず日常シーンで穴埋めする、という手法はお勧めしません(これをやってしまう人は多いですね)。全ての場面についてクライマックスを演出するための意味づけがされているのが理想です。
もちろん、口で言うのは簡単で、実際にやるのは結構難しいのですが……。私も日々、精進を心がける毎日です。
さて、字数も増えてきましたので、本日はここまでにしたいと思います。何だか抽象的でわかりにくかった気がしないでもないですが……少しでも意図が伝わっていれば幸いです。
それでは、本日はこの辺りで。
稲葉洋樹