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2015年06月27日

序章 認識番号1618

 緑の木々が生い茂る森の中を、一つの影が疾走していた。
 地面を縦横無尽に這い回る草木の根を、木々から突き出る鋭い枝葉を軽いステップで左右にかわしながら、影は全くスピードを緩めることなく猛進する。その動きは、常人の目では追いきれないほどに速い。
 ビー、と大きなブザー音が辺り一面に響き渡る。続いて、

『識別番号一六一八。第三ポイント通過を確認。通過タイムは二分三七秒一四』

 無機質な機械の合成音がそう告げた。
 影の行く先に、ぼんやりとした白い光が浮かび上がる。視界の悪い森の中にはない、人工の光。恐らく森が開けているのだろう。

 ゴールは近い。

 そう確信する。だがその刹那、影は唐突に動きを止めた。踏み止まった左足が地面を穿ち、大量の砂利を跳ね上げる。同時に、その姿が視認可能となった。

 影の正体は、一人の少年だった。
 歳は若い。まだ十代半ば頃だろう。全身にぴったりと張り付くようなブルーの戦闘服に身を包み、左腰には柄から鞘まで真っ黒な刀を帯びている。
 適当に短く切られた不揃いな黒髪。鼻筋はすっと通り、口元は固く結ばれている。
 太く釣り上がった眉の下には、鋭いナイフのような迫力のある瞳があった。
 全体的にはシャープで精悍な顔付きなのだが、その目つきの悪さから、ハンサムより先に恐いという印象を他人に与えてしまう。そんな少年だった。

 踏み止まった結果生じた反動を利用して、少年は両足を振り上げる。そのまま後方に一回転。すると、つい先程まで少年がいた場所に、二つの弾痕が穿たれる。  
 訓練用のゴム弾。殺傷能力こそないが、直撃すれば失神は免れない。そんな物騒なものが二つ、地面に転がっていた。
 少年は地面に落ちたそれらには目もくれない。否、目を向けている暇などなかった。

 次々と、新たなゴム弾が深い茂みの奥から襲いかかって来る。
 それらを、超人的な動体視力と反射神経を駆使して紙一重のところで避けながら、少年は冷静に思考する。
 正確な、いや、正確過ぎる射撃。さらには絶えず死角に回りこみ、隙あらば背後を取ろうとしてくる。この動き、人間のなせる技ではない。

 恐らく、自律型のドローンを用いた攻撃だろう。簡素なAIと各種センサーを備え、消音装置の付いたサブマシンガンを装備。小型化、軽量化が進められた結果、駆動音を最小限に抑えることに成功したドローンは、まさに究極の暗殺兵器だ。
 当然、武装したドローンの所持も開発も法律で禁止されているのだが……今、この場において、それは何の意味も持たない。この身を守るのは法律ではなく、自分自身の力だ。

 今までの攻撃を思い返し、そこからドローンの動きを予測。いくらAIを搭載しているとはいえ、所詮は機械だ。ある程度の規則性はある。
 脳内で構築したパターンを現実の攻撃に照合。両者が重なり合うまで辛抱強く待つ。

(まだ、まだ、まだ……ここ!)

 腰の後ろに携えたナイフを右手で引き抜くと、瞬時に投擲。右手から放たれたナイフが真っ直ぐに森の暗闇へと消え、ドローンの動力部に直撃する様を少年は幻視した。
 ガチンという金属音が響き、攻撃がピタリと止む。それと同時に少年は周囲に視線を走らせ、続く攻撃がないかを警戒した。

「……よし」

 たっぷり三秒ほど待機し、敵の無力化を確信した少年は再び飛ぶように移動を開始した。
 案の定、光の向こうは森が開けていた。薄暗かった森から突然、LED照明が照らす広い空間に出たおかげで一瞬、視界が明滅する。だが、特殊な訓練で鍛えられた彼の視力は一秒もしないうちに回復した。

『認識番号一六一八。第四ポイント通過を確認。通過タイムは三分三八秒七四』

 先程と同じ合成音を背中越しに聞きながら、少年はラストスパートに入る。地面を蹴りつけるようにして進む足音が、さらに大きさと激しさを増した。
 ゴールに設定されたゲートまでは、直線距離にして約四〇〇メートル。少年にとっては目と鼻の先も同然の距離だ。しかし、

(……妙だな)

 森を抜けてからゴールまでの直線に、障害物となりそうなものは一つもない。
 そのことを不審に思い、少年は僅かに速度を緩めた、その時、

『素晴らしい!』

 天井のスピーカーから、聞き覚えのある声が降って来た。
 少年は怪訝そうに眉を寄せながら、音もなく静止する。

『素晴らしい早さだ。認識番号一六一八。さて、そんな素晴らしい君に私からプレゼントを用意した。受け取りたまえ』

 一方的にそれだけを告げて、スピーカーの声はぶつりと途絶えた。同時に、少年のやや前方に位置する天井の一部が左右に割れる。
 モーターの駆動音。天井から、何かが降りてくるのだ。

(プレゼント……ね)

 今までの経験から、それがロクでもないものだろうということは容易に想像がついた。
 恐らく、今いる直線上に障害物がなかったのは、このプレゼントのためだろう。他の受験者も使う試験場だというのに、自分のためだけに用意されたのだ。

「全く、有り難すぎて涙が出そうだ……」

 げっそりしながら、少年は仕方なく降りてくるプレゼントを見上げる。
 それは、全長二メートルをゆうに超えていた。
 赤と白でペイントされた丸い金属製の胴体。その上に、長さ五メートル超の銀色のプロペラが乗っている。

「まるででかい竹トンボだな」

 ギュアァァァァァ!! 
 すさまじい音をたててプロペラが回転を始め、丸い金属製の胴体がゆっくりと持ち上がっていく。さらに、 中からなにやらガチャガチャと音が鳴り始めたかと思うと、胴体から砲身が四つ飛び出て来た。
 回転するプロペラが、LEDの光を受けてギラギラと鋭利な輝きを放つ。不必要に長いそれは、推進力だけでなく攻撃力も兼ねているのだろう。あんなものが人体に直撃すれば、一瞬でミンチにされること間違いなしだった。
 一瞬で全身凶器と化した竹トンボに対し、少年はげんなりとした声で一言。

「……趣味わりぃ」

 だが、そんなやる気のない少年に対して、敵は殺る気満々だった。
 そのずんぐりとした見た目からは想像もつかないような速さで移動し、弾丸をばら撒き始める。少年はすぐに後方へ飛び退り、一定の距離を保ちながら敵の分析を始めた。

 先程と違って砲身は固定だ。四つあるとはいえ、弾道を見極めるのは容易い。
 問題はあのプロペラだった。遠距離からナイフを投げても、間違いなく弾き返されるだろう。とすれば、あれを破壊する方法は一つ。少年は左腰に帯びた刀の柄に右手をかけた。
 撒き散らされる弾丸を軽いステップでかわしながら、少年は敵との距離を縮めていく。すると、間断なく続いていた弾丸の嵐がぴたりと止んだ。どうやら、こちらとの距離を認識して攻撃方法を切り替えるシステムになっているらしい。接近戦に切り替えた敵は少し頭を下げると、回転するプロペラを武器にして少年に襲いかかって来た。

「上等だ!」

 少年は正面からその挑戦を受けて立つ。
 左右のステップを止め、前傾姿勢に。右手で刀の柄を握りこむ。右半身を半歩前に出し、左足に力を溜めて――開放!
 同時に、少年の身体に異変が生じる。全身が淡い光を放ち、切り裂いた風が金色の火の粉を天井へと巻き上げた。
 異様な唸りを上げて高速回転するプロペラが眼前に迫る。それでも、少年は瞬き一つしなかった。ギリギリまで引きつけると、ほとんど地面をこするように身を低くし、紙一重のところでプロペラを避ける。頭髪の一部が切り裂かれ、風に乗って後方へと流れていった。
 完全に無防備となった敵の懐に入り込んだ少年は、視線を上げて狙いを定める。そして、

 かちり、という小さな音が響いた。

 その音は、少年が刀を抜いた音だったのか。
 あるいは、鞘に収めた音だったのか。
 それは彼自身にしかわからない。
 誰の目にも明らかだったのは、その瞬間、勝負が決したということだけだった。

 ズルル、と敵の胴体が左右にズレる。縦割りに切り裂かれたそれは慣性に従って少年の両脇を通過していくと、地面に激突して大爆発を起こした。
 燃え盛る爆炎、というアクション映画のワンシーンのような光景を背にして、少年はゲートを通過する。最後のブザーが試験の終了を告げた。

「認識番号一六一八。通過タイム四分五六秒九二」

 ゲートの電光掲示板が表示した記録の横には『New Record!!』の文字が躍っていた。

(第一章へ続く)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 本作は、まだデビューする前に投稿用に書いていた作品を手直ししたものです。
 よくある学園バトルものなので商品化出来るレベルではありませんが、文章の練習等を兼ねて、今後も不定期で更新していこうと思います。
 感想やダメ出しはお気軽にコメント欄までどうぞ。

                                      稲葉洋樹


posted by 稲葉洋樹 at 03:42| Comment(0) | 連載小説『Guardians!』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月14日

学園祭

 ブログ読者の皆様こんにちは。稲葉洋樹です。

 本日は同僚の先生と一緒に、アルバイト先の学園祭に遊びに行きました。

 気づけば学生時代が遠い昔となってしまった私ですが、中学、高校、大学時代の学園祭は部活やサークルのイベントばかりに参加していたので、まともに遊んだ経験がありません。
 そんなわけで、今日は青春時代を思い出しつつ、学園祭を満喫しました。

 まぁ、あまり人の多い場所に行かないので、疲れましたけどね……。若いエネルギーに当てられて、余計に疲れた気がします。さすがにもうあの輪の中には入れないなぁ〜……という感じで。歳を取ったなぁ……としみじみ思う今日この頃です。私も来週で30ですし……。

 とはいえ、これでもライトノベル作家ですので、気持ちは若く保つよう努力しなければいけないですね。そういう意味では、今日の学園祭は良い刺激になったと思います。
 これからも若さ溢れる作品を書けるように頑張っていきたいです。

 それでは、本日はこの辺りで。今週も頑張るぞ〜!

                                       稲葉洋樹

こめかみっ!−ライス・イズ・ビューティフル− (創芸社クリスタルブックス) -
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posted by 稲葉洋樹 at 23:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月08日

全仏OP閉幕

 ブログ読者の皆様こんにちは。稲葉洋樹です。

 そろそろ梅雨入りの時期ですね。毎日暑いので少しは涼める反面、うっとうしくもあり……。まぁ、部屋にこもっていれば関係ないんですけどね(ぉぃ

 さて、およそ二週間に及ぶ全仏OPテニスが閉幕しました。男子はバブリンカ選手、女子はセリーナ選手の優勝でした。
 男子では大本命と目されていたジョコビッチ選手を破ったバブリンカ選手が初優勝。二度目のグランドスラム制覇です。おめでとうございます。
 一方、女子のセリーナ選手は長年、女子テニス界で上位をキープしている実力者。年齢を重ねてもプレーが衰えませんね。こちらもおめでとうございます。

 日本勢では錦織選手がベスト8まで進んだものの、地元のツォンガ選手に敗れました。強風に苦しめられ、試合開始から完全にペースを乱されてしまいましたね。思わぬ中断を挟み、その後は本来のプレーを取り戻しましたが、第五セットでツォンガ選手の高い集中力の前に屈する結果となりました。
 試合を見る限り、やはりここ一番(特にサーブ)での集中力が、錦織選手のさらなる進化のためには必要な気がします。もちろん、口で言うのは簡単なんですけどね……。残りのシーズンに期待したいと思います。

 その他の日本人選手は残念ながら全員、一回戦で姿を消してしまいました。ただ全員、ドロー運が悪かったというのもありますね。西岡選手がベルディヒ選手相手に善戦したりと、見どころがある試合もありましたし、今後の成長に期待したいと思います。

 そんなこんなで、本日はこの辺りで。一応、作家のブログなのに、小説の話を全くしていませんね。まぁ、いつものことですが……。

                                      稲葉洋樹
posted by 稲葉洋樹 at 02:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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